イベント

GJS Research Workshop 2026年4月例会➁

韓国における日本研究の動向

日  時:2026年4月24日(金)17:00~18:30
会  場:大阪大学豊中キャンパス 言語文化B棟4階  418(ハイブリッド開催)
開催言語:日本語(討論は日英両語)

参加登録:https://forms.cloud.microsoft/r/7NewyLL6yK

【講演】
全 成坤 教授(翰林大學校

【趣旨】
本報告では、韓国における<日本語教育>と「日本研究」の再出発点を1945年8月15日の解放以後に設定し、そこから検討する。日本の植民地支配からの独立は、日本を研究対象としながらも、その歴史的「被支配経験」といかに向き合い克服するかという課題を同時に抱え込むこととなった。その被支配経験は、韓国における日本語教育及び日本語学科、日本関連の学会活動の否定と肯定が繰り広げられるプロセスと連動した。この過程自体は、韓国における「日本語教育と日本研究」に内在する「脱植民地」の問題でもあった。つまり、韓国における日本語教育と日本研究を通して、ナショナリズムの相対化を試みる論理の拡大であった。しかしながら、それは、韓国の近代は日本植民地の時期の<植民地主義近代>の論争と重なって、日本研究は「近代」経験の対立の方向へ向かった。それは結局「韓国=国民国家の内部における」日本語教育と日本研究の「内容」でとどまってしまった。つまり、韓国の「被害経験」を克服する「もの」としての日本語教育及び日本研究の「種類」のみの拡大であった。それ自体が、日本語教育と日本研究の意義であり、脱植民地化だと思えるようになった。日本を固定化し、日本らしさを探すことで、日本が実体化させたことを意味することであるが、まさにそれが、韓国における「日本語教育及び日本研究」の役割であった。そこで、最近、やっと気づいているのが、日本語教育と日本研究は、韓国社会でどのような社会的な文脈のなかで受容されたのかを分析する試みであった。それで、日本研究とはどのような文脈が社会的状況と結びつきながらせり上がって来ていたのかを研究するに至っている。そこで、韓国における日本語教育と日本研究が、単なる植民地支配の克服にとどまらず、「二重三重の脱植民地主義」の問題対象として浮かび上がってきた。すなわち、日本の植民地支配に対する歴史的克服の問題に加え、西洋中心的理論に依存してきた認識枠組みそのものをどのように相対化し、韓国独自の日本研究方法論を構築するか、そこに焦点が移動してきている。これにより、韓国における日本語教育と日本研究はナショナリズム、資本主義、ジェンダー、マイノリティ、植民地経験、戦後民主主義といった問題群へと接続されつつある。まさに、このような状況へ至った歴史的な文脈を本報告では、顧みることにしたい。

2026.04.10