拠点形成プロジェクト

2022年度 研究拠点構築型

21世紀課題群と東アジアの新環境:
実践志向型地域研究の拠点構築

プロジェクト代表者
三好 恵真子

大阪大学大学院人間科学研究科・教授

最終年度 実施・研究成果報告書

プロジェクトの背景、目的と概要

本拠点形成プロジェクトでは、非対称戦争とテロリズム、新型感染症と公衆衛生、環境問題や核管理、国境紛争と歴史問題、あるいは少子高齢化と社会保障など、緊急性を要する21世紀課題群と東アジアとの関係性に着目しながら、若手研究者の育成を軸芯に据えた現代中国研究の「対話型」研究プラットフォームの構築を目指しています。

本拠点形成プロジェクトの代表および参画メンバーが中心となる、有志の教員による「大阪大学中国文化フォーラム」は、2007年に組織化され、日本・中国大陸・台湾・韓国の国境を越えた学術交流である国際セミナー「現代中国と東アジアの新環境」(会議言語中国語)を十数年間にわたり主宰しており、息の長い人的交流を通じた対話の基盤を育んで参りました。

よってこのプロジェクトでは、この貴重な資源や濃厚な実績を多分に活かしつつ、地域研究の学際性を「近現代の軌跡と前近代からの逆照射」という歴史的射程から捉えることにより、更なるグローバルな文理融合的課題を、歴史学を機軸とする地域研究の総合化(課題群の整序と認識枠組の再検討)における不可分の領域へと再配置しながら、実践志向型地域研究へと昇華させることを試みています。具体的には、国際セミナー開催を中心に、学生・若手研究者の積極的な参加を促す多様な企画を立案し、また「研究と教育の有機的連携」の活性化を目指しながら、「21世紀課題群と東アジアの新環境」を切り口として、新たな領域横断的研究・教育のプログラムの創成を追求しつつ、その成果をより豊かな国際関係の創出と提案に向けて活かしていくことを希求しています。

最終年度の実績

東アジア地域秩序に関わる諸課題は、従来の国家間関係のもとではもはや解決しえないことを認識しつつ、私たちは、東アジアの国際公共財形成への基盤として、「人間の安全保障」にひとつの方向性を見いだそうと考えました。この間、資源・領土問題などを巡り東アジアの緊張関係が高まりつつある社会情勢において、一見すると難しいと思われる中でもface to faceの相互の信頼を糧に、一年また一年と国境を越えた対話を地道に続けてきた上述のプロセスがあるからこそ、私たちが身をもって実感するのは、21世紀の東アジア地域において、20世紀のような「戦争」により分断されることのない、紛争や対立を生み出さない「アジア地域史像」の構築であり、未来世代に引き継ぐべきことは、争いのない平和であるという願いを深めてきたのです。

本拠点形成プロジェクトの取り組みの最終年度は、プロジェクトの総括の意味を込めた3回目の公開シンポジウム「ポスト体験時代の記憶の継承—-アジア地域史の視座から祈念する私たちのダイアログー」を2024 年10月26日(土)にオンラインにて開催しました。その趣旨に鑑み、「沖縄市戦後文化資料展示館「ヒストリート」」並びに「大阪大学中国文化フォーラム」に共催としてご協力頂きながら、国内外からおよそ100名のご参加を得ることができ、また時間を延長しながらの活発な議論が展開されました。

アジア太平洋戦争の終結から79年が過ぎ、戦争体験者の直接的な証言が聞き取れなくなる「ポスト体験時代」へ入りつつある今日、未来世代への継承が喫緊の課題となっています。昨年2023年に私たちは、次世代を担う学生たちを主体としながら戦争・戦後体験の意味を問い、未来への展望を描いていくために「記憶の継承を祈念するグローバル・ダイアログ(記憶の継承ラボ)」を立ち上げました。これまで長崎、沖縄、福島、水俣などの各地の現場で尽力する方々から多くの示唆を得る中で強く認識するに至ったのは、それぞれの地域に生きる人びとの営み続けてきた戦中戦後の「生活の現場」を重層的な歴史空間として連続的に捉え直していく重要性でした。その中で沖縄戦とその歴史を背負った現在について学ぶために沖縄へ、とりわけ冷戦下の1950年代に建設が本格化した嘉手納基地の門前町として発展する中で独自の文化を築いてきた街として知られる「沖縄市コザ」を訪れた際、沖縄が数世紀にわたり経てきた歴史の厚みを受けとめつつも、現在も同地で起きている出来事をめぐり、私たちは複雑な葛藤を抱かざるを得ませんでした。ただし、そうした私たちに対して、現地での貴重な出会いを頂くのみならず、様々な背景を持ってコザに暮らす一人ひとりの模索やエネルギーにより、この街がつくられてきたのだという戦後史を諭してくださったのが、市史編集に日々尽力する職員の方々でした。そこには、これからの街をつくっていくために、コザに多くの人びとが訪れてその歴史を知ってほしいという、コザに暮らす人たちの視座による「コザの戦後史」の継承への願いが託されていました。それゆえに私たちは、ともすれば先の大戦を巡る歴史記憶が、ナショナリティや「加害/被害」の対立構図へと分断的に回収されがちであるものの、それぞれの地域に生きる人びとの営み続けてきた戦中戦後の「生活の現場」を重層的な歴史空間として連続的に捉え直していく重要性を強く認識するに至りました。

以下、プログラムを示すように、第一部の「コザの戦後史の継承が拓いていく未来への展望」では、沖縄市戦後文化資料展示館「ヒストリート」に関わりながら長年にわたり沖縄市史編集に尽力され、体験者の貴重な「語り」の聞き取りも行われている恩河尚氏と伊敷勝美氏にご登壇頂きました。そして学生たちの現場での記録写真と応答させながら、対話形式にて沖縄市の戦後史に関する貴重なお話を頂戴することができました。続いて第二部では、「戦争がもたらした社会の変容と向き合う生活者の思想的営為」を基調とする2つの研究成果報告を行い、ディスカッサントから総括のコメントを頂きました。引き続き第三部の「アジア地域史から共に考える私たちの暮らし」へと展開し、それぞれの土地で戦中戦後の現実と向き合い続けながら営まれてきた生活者の思想的営為を、ポスト体験時代に生きる私たちがいかに受けとめつつ未来へと活かしていくことが出来るかについて、参加者と共に考えながら、熱量を込めた有意義な議論を交わすことができました。

第一部 <話題提供>コザの戦後史の継承が拓いていく未来への展望

モデレーター:吉成 哲平(大阪大学人間科学研究科DC)

  • ①それぞれの土地の歴史を背負う現在から浮かび上がる東アジアとの結びつき
    「記憶の継承の現場で展開される「戦後」を生きる人びとの複雑な経験」
    「記憶の継承ラボ」の院生メンバー
  • ②現場からのレスポンス「コザの戦後史の継承に込められた思索の軌跡」
    「沖縄市戦後文化資料展示館「ヒストリート」の取り組み」
    恩河 尚(沖縄市史編集担当)
    伊敷 勝美(沖縄市史編集担当)
第二部 <基調報告>戦争がもたらした社会の変容と向き合う生活者の思想的営為
  • ①生活の中で生まれゆく写真表現から「戦後」を捉え直す
    「写真家たちが向き合った1970年前後の現実―「写真100年」の歴史から内省した現場での撮影表現の意味―」
    吉成 哲平(大阪大学人間科学研究科DC)
  • ②国境移動の経験を通じて心身で受けとめていった重層的な歴史
    「日中「二つの東北」の痛みと向き合いながら暮らす結婚移民の中国人女性たち―「単位制」の弱体化や戦争の痕跡を受け止めつつ結び目となりゆく歴史実践―」
    王 石諾(大阪大学人間科学研究科DC)

ディスカッサント:小林 清治(大阪大学人間科学研究科)

第三部 <総合討論>「アジア地域史から共に考える私たちの暮らし」

本シンポジウムの成果の総括については、例年と同様に、OUFC(Osaka University Forum on China)Booklet (三好恵真子・吉成哲平(編))(冊子体・電子版)として年度末に刊行しました。とりわけ第一部における恩河氏と伊敷氏の語りは、現場で共に暮らしてきたからこそ見えてくる歴史の真相やそこに暮らす人びとの姿や想いを生身に感じることができ、私たちに新たな発見と内省をもたらすとともに、コザ戦後地域史として学術的にも高い意義を放っていました。そして第二部は、いずれも戦争がもたらした社会の変容と向き合う生活者の重みに目を向けながら研究を進め、2人の院生による先駆的な報告を研究論文として掲載しています。さらに、第三部の「<総合討論・応答>アジア地域史から共に考える私たちの暮らし」では、当日の白熱した総合討論・質疑応答の文字起こしに加え、本書ならではの魅力として、シンポジウムに参加してくれた様々な専門性を持つ7名の若手研究者たちが、それぞれの思いを紡いでまとめ上げた寄稿文も収録することができました。

研究期間全体における研究成果の概要

初年度から最終年度まで、経年的に公開シンポジウムを開催し、毎回100名ほどの参加者を得ることができ、いずれもOUFC(Osaka University Forum on China)Booklet(冊子体と電子媒体)としてまとめることができました。

まず第1回目のシンポジウムでは、沖縄返還、日中国交回復、国連人間環境宣言の採択という戦後の節目となる1972年からさらに半世紀という2022年という時代の節目を強く意識しつつ、「この50年の歩みを共に考える―それぞれの出来事をいま振り返る意味」をテーマとして、その時代をリアルタイムでは経験していない若手研究者たちが協働しながら積極的に企画を立案し、それぞれ渾身の研究を披露しながら、参加者とともに考えていく場・空間の醸成を試みました。

2年度には、上述のように本拠点形成プロジェクトから、「記憶の継承を祈念するグローバル・ダイアログ(記憶の継承ラボ)」を立ち上げることができました。それゆえに第2回目のシンポジウムでは、「記憶の継承ラボ」の立ち上げとその活動を踏えながら、3人の学生たちの基調報告に加え、長崎城山小学校平和祈念館の平和案内人として長年尽力されている山口政則氏と松尾眞一郎氏に貴重なお話を伺うことができました。長崎の市民活動により被爆建物や遺構を残す運動が積極的に継続されていますが、その中で、城山小学校被爆校舎平和発信協議会前会長の内田伯氏が残された功績が大きいと山口氏は強調されていました。内田氏の「目から消え去る物は、心からも消え去る。原爆の遺構は、残すこと、見て感じること、伝えることに意味がある」という大切な言葉も紹介されながら、その遺志を受け継ぎつつ地道に活動を継承されています。山口氏も松尾氏も被爆を経験されていないものの、長崎に共に暮らし続け、一人ひとりの被爆者に寄り添い、その言葉にならない想いも受け止めながら相互に支え合い、戦争経験や記憶を受け継ぐべく、未来世代に向けた平和活動を実践されています。こうした日々の暮らしの中で被爆者を支える平和案内人の方々へ感謝の意を深めながら、私たちが改めて気づかされたのは、戦争体験者と非体験者を繋ぐべく存在としての、現場の「伴走者」としての実践者の存在の尊さであり、まさに「ポスト体験時代の記憶の継承」において核心的な役割を果たしているのではないかということでした。

こうして「記憶の継承ラボ」では、これまで長崎、そして沖縄、福島、水俣などの各地を訪れ、五感で学びの機会を得る一方、現場で尽力する実践家の方々から多くの示唆を頂くことができました。そして第3回目のシンポジウムの開催に繋がったのが、上述のように沖縄戦とその歴史を背負った現在について多様な学びと新たな視野の拡がりを頂いた沖縄訪問でした。

以上、これまでの成果の概要をまとめましたが、最後に展望についても言及しておきたいと思います。冷戦体制終結後の1990年代以降の日本では、敗戦を起点とする民主主義や平和、経済的繁栄に支えられてきた「長い戦後」意識が次第に相対化されていく中で、東アジアの近隣諸国との間でのアジア太平洋戦争の歴史認識をめぐる和解への取り組みが徐々に進んできました。しかし、2000年代の東アジアの共同歴史研究の過程で「正義」をめぐる、それぞれの国の間の隔たりが顕在化し、相互の歴史和解を依然として困難なものとしています。それゆえに、東アジアにおける歴史和解を進める上でとりわけ重要となる「謝罪」、「共同歴史研究」、「戦後補償訴訟」、そしてそれに加え、アジア地域の交流に共通する土台を探す必要性が、国際的にもいままさに提起されています。そこで私たちは、国家による加害や被害の歴史に回収しえない、戦中・戦後の一人ひとりの思想的営為を当事者と共に切り拓いてきた「伴走者」の模索とその実相に深い敬意を払いながら、ポスト体験時代の記憶の継承について、アジア地域史の視座から対話の可能性を願いつつ、本拠点形成プロジェクトの終了後も、次世代とともに、その連帯に向けての可能性に目を向けてきたいと思います。

なお、本プロジェクトに関連するウェブサイトも公開しており、今後も発展させながら随時活動を更新しておりますので、併せてご確認頂けますと幸いです。

主な発表論文

【共編著】
  • 三好恵真子・吉成哲平編『ポスト体験時代の記憶の継承―アジア地域史の視座から祈念する私たちのダイアログ―(「21世紀課題群と東アジアの新環境」シンポジウムシリーズ③)』OUFC Booklet Vol.19、2025年
  • 三好恵真子・吉成哲平編『記憶の継承を祈念するグローバル・ダイアログ(「21世紀課題群と東アジアの新環境」シンポジウムシリーズ②)』OUFC Booklet Vol.18、2024年
  • 三好恵真子・林礼釗・吉成哲平編『この50年の歩みを共に考える―それぞれの出来事をいま振り返る意味(「21世紀課題群と東アジアの新環境」シンポジウムシリーズ①)』OUFC Booklet Vol.17、2023年
【単著】
  • 岡野翔太(葉翔太)『二重読みされる中華民国―戦後日本を生きる華僑・台僑たちの「故郷」』大阪大学出版会、2023年
【共著】
  • 吉成哲平「原爆がなし続けてきた時間の厚みを「私たち」の問いとして拓く展示へ」、 長崎の証言の会編『証言2024――ナガサキ・ヒロシマの声』汐文社、26-27頁、2024年
【論文】
  • 吉成哲平・三好恵真子「復帰後の沖縄の現実から問い直された「戦後」―写真家 東松照明が島々で確かめていった生活の実感―」『生活学論叢』46、 印刷中、2025年
  • Yoshinari, Teppei., Miyoshi, Emako. “Methodological Potential of “Photography in Practice (shashin-jissen)” Depicting the Thought of Common People in the “Postwar” Period: Importance of the layered experience of Shōmei Tōmatsu deepening his understandings of the reality through photography” Osaka Human Sciences 11, pp.101-129, 2025年
  • 吉成哲平・三好恵真子「再帰的な撮影行為を介して拓かれていく「記憶の継承」の可能性―写真家たちが表現し続けた「戦後」を「写真実践」より問い直していく意味―」『大阪大学大学院人間科学研究科紀要』51、45-73頁、2025年
  • 王石諾・三好恵真子「日中「二つの東北」を生きる結婚移民の女性たち―ライフストーリー法から拓かれていく「歴史実践」―」『大阪大学大学院人間科学研究科紀要』51、1-25頁、2025年
  • 王石諾・三好恵真子「日中「二つの東北」の痛みに向き合いながら生を営むという選択―「単位制」の弱体化や戦争の痕跡を受け止めつつ災害を乗り越えようとする結婚移住した中国人女性の歴史実践―」『生活学論叢』45、15-29頁、2024年
  • 吉成哲平・三好恵真子「「戦後」の生活者の思想を討究する「写真実践」の方法論的可能性 ―ひとびととの距離を埋めゆく東松照明の重層的経験の意味―」『大阪大学大学院人間科学研究科紀要』50、 185-213頁、2024年
  • Leng, Xinyuan., Lin, Lizhao., Miyoshi, Emako. “A Reconsideration of Environmental NGOs and the Environmental Governance of Social Transformation in China: The paradigm shift from “State and Society” to “Institutions and Life”” Osaka Human Sciences 10, pp.107-131, 2024年
  • Yoshinari, Teppei., Miyoshi, Emako. “Photographers Confronted with the Turbulence Around 1970: Reflections on documents since the Meiji period through “A Century of Japanese Photography”” Osaka Human Sciences 10, pp.57-90, 2024年
  • 吉成哲平・三好恵真子「「私性」から「公性」へと拓かれてゆく「写真実践」―復帰前後の沖縄での表現を巡る東松照明の模索―」『生活学論叢』43、43-57頁、2023年
  • 王石諾・三好恵真子「結婚移民として日中「二つの東北」を生きる中国人女性の歴史実践―ライフストーリーから読み解かれる「満洲」記憶―」『生活学論叢』43、28-42頁、2023年
  • 張曼青・三好恵真子「社会転換の荒波を生きる中国農民の「農」をめぐる葛藤と主体的な選択―施肥に関するライフストーリーから読み解くもう一つの農民像―」『生活学論叢』42、15-28頁、2023年
  • 張曼青・胡毓瑜・三好恵真子「新中国建国後の肥料農法の漸進的な転換と農民の主体性―「土化肥」の使用を基軸とした考察―」『村落社会研究ジャーナル』29(2)、13-24頁、2023年
  • Yoshinari, Teppei., Miyoshi, Emako.“The Common People Living with Ambivalence after Defeat in War: Americanization in postwar Japan captured by Shōmei Tōmatsu”Osaka Human Sciences 9, pp.83-117, 2023年
  • 冷昕媛・林礼釗・三好恵真子「中国社会転換期における環境NGOと環境ガバナンスに関する再考―「国家−社会」から「制度−生活」へのパラダイムの転換―」『大阪大学大学院人間科学研究科紀要』49、175-199頁、2023年
  • 吉成哲平・三好恵真子「写真家たちが向き合った1970年前後の現実―「写真100年」展を通じた明治期以来の記録への内省―」『大阪大学大学院人間科学研究科紀要』49、51-84頁、2023年
  • 吉成哲平・三好恵真子「写真家 東松照明が直面した「基地の中の沖縄」―日米の狭間で揺らぐ復帰前の現実と歴史への責任―」『生活学論叢』41、30-45頁、2022年
【学会発表】
  • 吉成哲平・三好恵真子「再帰的な撮影行為を介して拓かれていく「記憶の継承」の可能性―写真家たちが表現し続けた「戦後」を「写真実践」より問い直していく意味―」社会文化学会第27回全国大会、2024年12月
  • 吉成哲平「写真家たちが向き合った1970年前後の現実―「写真100年」の歴史から内省した現場での撮影表現の意味―」大阪大学グローバル日本学教育研究拠点・拠点形成プロジェクト「21世紀課題群と東アジアの新環境:実践志向型地域研究の拠点構築」;大阪大学大学院人間科学研究科附属未来共創センター・IMPACTオープンプロジェクト「記憶の継承を祈念するグローバル・ダイアログ」(記憶の継承ラボ)主催、沖縄市戦後文化資料展示館「ヒストリート」;大阪大学中国文化フォーラム共催、シンポジウム「ポスト体験時代の記憶の継承―アジア地域史の視座から祈念する私たちのダイアログ―」、2024年10月
  • 王石諾「日中「二つの東北」の痛みと向き合いながら暮らす結婚移民の中国人女性たち―「単位制」の弱体化や戦争の痕跡を受け止めつつ結び目となりゆく歴史実践―」、前掲シンポジウム「ポスト体験時代の記憶の継承―アジア地域史の視座から祈念する私たちのダイアログ―」、2024年10月
  • 吉成哲平・三好恵真子「復帰後の沖縄の現実から問い直された「戦後」―写真家 東松照明が島々で確かめていった生活の実感―」日本オーラル・ヒストリー学会第22回大会、2024年9月
  • 王石諾・三好恵真子「日中「二つの東北」を生きる結婚移民の中国人女性たち―「単位制」の弱体化や戦争の痕跡を受け止めつつ震災の傷を負った福島で生を営むという選択―」日本オーラル・ヒストリー学会第22回大会、2024年9月
  • 吉成哲平・三好恵真子「「戦後」の生活者の思想を討究する「写真実践」の方法論的可能性―ひとびととの距離を埋めゆく東松照明の重層的経験の意味―」日本生活学会第51回研究発表大会、2024年6月
  • 冷昕媛・三好恵真子「中国の環境NGOの独自の展開と受け継がれてゆく内在的自律性―若者世代の環境NGOリーダーのライフストーリーに着目して―」日本生活学会第51回研究発表大会、2024年6月
  • 王石諾・三好恵真子「日中「二つの東北」の痛みに向き合いながら生き抜く中国人女性―「単位制社会」の弱体化に伴い結婚移民となった人々のライフストーリー―」日本生活学会第51回研究発表大会、2024年6月
  • 王石諾「「単位制社会」の弱体化に伴う移動経験から見えてくる日中「二つの東北」の痛み―結婚移民となった中国人女性のライフストーリーを手掛かりに―」日本現代中国学会2024年度関西部会、2024年6月
  • 吉成哲平「「写真もまた生きている」―東松照明が生活の現場から証した長崎の被爆者の生と死の意味を受け止めて―」大阪大学大学院人間科学研究科共生の人間学研究室主催;大阪大学大学院人間科学研究科附属未来共創センター・IMPACTオープンプロジェクト「記憶の継承を祈念するグローバル・ダイアログ」(記憶の継承ラボ)共催、シンポジウム「出来事の記録と生の記憶 クロード・ランズマン『SHOAH』をみる」、2024年2月
  • 吉成哲平・三好恵真子「敗戦と占領体験から問い直され続けた「アメリカニゼーション」―写真家 東松照明が捉えた「戦後」を生きるひとびとの葛藤―」社会文化学会第26回全国大会、2023年12月
  • 吉成哲平・三好恵真子「復帰前後の沖縄の現実への内省から埋めようとした「距離」―写真家 東松照明がひとびとの人生から受け止めていった重層的歴史―」日本オーラル・ヒストリー学会第21回大会、2023年11月
  • 冷昕媛・三好恵真子「人間と自然が共存するアジア的理性の創出:中国初代NGOリーダー万氏のライフヒストリーから読み解く」日本オーラル・ヒストリー学会第21回大会、2023年11月
  • 王石諾・三好恵真子「中国社会転換期における「東北離れ」をめぐる女性たちの葛藤―結婚移民として中国東北から日本の東北へと移動した経験から捉える」日本オーラル・ヒストリー学会第21回大会、2023年11月
  • 吉成哲平「「私性」から「公性」へと拓かれてゆく「写真実践」―写真家 東松照明が直面し埋めようとした沖縄の現実との距離」大阪大学グローバル日本学教育研究拠点・拠点形成プロジェクト 「21世紀課題群とアジアの新環境:実践志向型地域研究の拠点構築」;大阪大学大学院人間科学研究科附属未来共創センター・IMPACTオープンプロジェクト「記憶の継承を祈念するグローバル・ダイアログ」(記憶の継承ラボ)主催、城山小学校被爆校舎平和発信協議会;大阪大学中国文化フォーラム共催、シンポジウム「記憶の継承を祈念するグローバル・ダイアログ」、 2023年10月
  • 冷昕媛「社会転換期における環境ガバナンスへの参与―中国環境NGOリーダーのライフヒストリーから読み解かれる内発的自主性とその啓示―」、前掲シンポジウム「記憶の継承を祈念するグローバル・ダイアログ」、 2023年10月
  • 王石諾「結婚移民として日中「二つの東北」を生きる中国人女性のライフストーリー―対話的インタビューから見えてくる戦争認識とその継承―」、前掲シンポジウム「記憶の継承を祈念するグローバル・ダイアログ」、 2023年10月
  • 許俊卿・冷昕媛「如何在治理城市环境问题中提高公众的行动意识:以日本公害城市的环境保护团体的相关活动为案例」全球华人城市治理与政策学术研讨会、2023年7月
  • Leng , Xinyuan., Miyoshi, Emako. “The Practice of the First-generation Environmental NGO and Environmental Governance in China’s Period of Social Transformation: Intrinsic Autonomy from a Life History”, 7th Annual ARNOVA-Asia Conference:The Roles of Nonprofit Organizations for Sustainable Civil Society, 2023年7月
  • 吉成哲平・三好恵真子「「私性」から「公性」へと開かれてゆく写真表現―復帰後の沖縄での記録を巡る東松照明の模索―」日本生活学会第50回研究発表大会、2023年6月
  • 冷昕媛・三好恵真子「中国社会転換期における初代環境NGOリーダーと環境ガバナンスの参加―ライフヒストリーから見る内発的主体性―」日本生活学会第50回研究発表大会、2023年6月
  • 王石諾・三好恵真子「日中「二つの東北」を生きる結婚移民の中国人女性の歴史実践」日本生活学会第50回研究発表大会、2023年6月
  • 吉成哲平・三好恵真子「写真家たちが向き合った1970年前後の現実―「写真100年展」を通じた明治期以来の記録への内省―」社会文化学会第25回全国大会 、2022年12月
  • Xu, Junqing., Hu, Yuyu., Miyoshi, Emako. “Information Gathering Behavior and Risk Perception of PM2.5 Issues in Beijing, Shanghai and Hebei”, 7th Conference of the Asia Regional Organization the Society for Risk Analysis, 2022年11月
  • 吉成哲平「写真家 東松照明が伝えようとした復帰前の沖縄の現実―平和憲法を持つ「祖国」の退廃への葛藤と責任」大阪大学グローバル日本学教育研究拠点・拠点形成プロジェクト「21世紀課題群と東アジアの新環境:実践志向型地域研究の拠点構築」主催、大阪大学中国文化フォーラム;大阪大学人間科学部・人間科学研究科創立50周年記念事業委員会共催、シンポジウム「この50年の歩みを共に考える―それぞれの出来事をいま振り返る意味」、2022年10月
  • 鄒燦「国交正常化以降の日中戦争研究の動向と戦争認識の変化」、前掲シンポジウム「この50年の歩みを共に考える―それぞれの出来事をいま振り返る意味」、2022年10月
  • 岡野翔太「在日華僑の1970年代:断交/国交正常化後の華僑組織と「二つの中国」問題」、前掲シンポジウム「この50年の歩みを共に考える―それぞれの出来事をいま振り返る意味」、2022年10月
  • 王石諾・三好恵真子「国際結婚で福島県に嫁いだ中国人女性の「心の揺らぎ」―ライフストーリーから読み解く―」日本オーラル・ヒストリー学会第20回大会、2022年9月
  • 吉成哲平・三好恵真子「薄れゆく戦後の初心と、平和国家の現実―写真家 東松照明が目の当たりにした、「基地の中の沖縄」―」日本生活学会第49回研究発表大会、2022年6月
  • 冷昕媛・胡毓瑜・三好恵真子「中国社会転換期における初代環境 NGO における「民」の視点からの再検討―ライフストーリーから読み解く主体性と形成過程」日本生活学会第49回研究発表大会、2022年6月
  • 許俊卿・胡毓瑜・三好恵真子「PM2.5問題に対するリスク認知の構造に内在する主体性に関する考察」日本生活学会第49回研究発表大会、2022年6月
  • 張曼青・胡毓瑜・三好恵真子「中国「県域社会」における「アウトロー」農業の伸縮性」日本生活学会第49回研究発表大会、2022年6月
平和案内人・山口政則氏による長崎原爆資料館での解説(2023年8月 人間科学研究科博士後期課程・吉成哲平さん撮影)
沖縄市戦後文化資料展示館「ヒストリート」(2024年10月人間科学研究科博士後期課程・吉成哲平さん撮影)
プロジェクト構成員(最終年度時点)
学内 許 衛東 大阪大学大学院経済研究科・准教授
高橋 慶吉 大阪大学大学院法学研究科・教授
豊田 岐聡 大阪大学大学院理学研究科・教授
宮原 暁 大阪大学大学院人文学研究科・教授
小林 清治 大阪大学大学院人間科学研究科・准教授
林 礼釗 明石工業高等専門学校教養学群助教/
大阪大学大学院法学研究科招へい研究員
胡 毓瑜 大阪大学大学院人間科学研究科・助教
岡野 翔太 神戸大学大学院人文学研究科助教/
大阪大学大学院人文学研究科招へい研究員
学外 鄒 燦 中国南開大学日本研究院・副教授
江 沛 中国南開大学歴史学院・教授
許 育銘 台湾国立東華大学歴史学系・副教授
柳 鏞泰 韓国ソウル大学校歴史教育科・教授
周 太平 中国内モンゴル大学モンゴル学学院・教授
丸田 孝志 広島大学人間社会科学研究科・教授
福田 州平 香港大学専業進修学院・人文及法律学院・学院助理講師
田中 仁 公益財団法人東洋文庫 研究部 研究員
(大阪大学・名誉教授)
キーワード 東アジア、実践志向型地域研究、文理融合、国際連携、若手研究者育成