拠点形成プロジェクト
フェミニズム・ジェンダー研究の視座から拓く
東アジア教育哲学の国際拠点
プロジェクト代表者
岡部 美香
大阪大学人間科学研究科・教授
本プロジェクトは、日本の教育学領域において周縁化されがちであったフェミニズム・ジェンダー研究を、東アジアにおける教育・人間形成理論の再構築と国際発信を支える中核的な研究基盤として確立することを目的とする。
ここでいうフェミニズム・ジェンダー研究は、教育学における個別の研究主題の一つとしてのみ位置づけられるものではない。本プロジェクトでは、それを、教育学、とりわけ教育哲学・教育思想史研究において何が中心的な問題とされ、何が周縁的な問題とされてきたのかを問い直すための視座として捉える。女性研究者や教育・福祉に携わる女性の代表性・代理性、ケア、身体性、感情、詩的言語、周縁化された人々の経験や声を手がかりとして、教育学の知が形成されてきた制度的・理論的な中心―周縁構造を検討し、教育および人間形成についての既存の枠組みを組み替えることをめざす。
日本をはじめとする東アジアの教育哲学・教育思想史研究は、近代以降、欧米由来の理論を重要な参照軸として発展してきた。本プロジェクトは、西洋近代を単純に否定したり、東アジアの伝統へ回帰したりするのではなく、その思想的成果を批判的に継承する。その一方で、それらが成立した地理的・歴史的・社会的条件を問い、そこからこぼれ落ちてきた多様な生の経験に着目する。東アジアの思想や周縁化された人々の声との出会いを通して、西洋近代に由来する概念や知の配置を脱臼・解体し、教育と人間形成を捉える言葉と理論を再構築する。
また、本プロジェクトでは、日本をハブとして、韓国、台湾、香港、オーストラリアなどの研究者との継続的な共同研究体制を構築する。Asian Link of Philosophy of Education(ALPE)およびPhilosophy of Education Society of Australasia(PESA)をはじめとする国内外の学術ネットワークとの連携を基盤として、国際シンポジウム、研究会、読書会を継続的に実施し、これらと学術誌での成果公刊を相互に接続する。これらを通して、特に大学院生や若手研究者が国際的な研究交流や研究発信の経験を積める環境を整える。
最終的には、フェミニズム・ジェンダー研究を起点として、日本および東アジアにおける教育・人間形成の経験をグローバルな文脈のなかで再定位し、「広い意味での日本学」を国際共同研究の基盤として発展させる。あわせて、プロジェクト終了後も国内外の研究者、特に若手研究者が継続的に交流し、研究成果を公開・公刊できる持続可能な国際研究拠点の形成をめざす。
| プロジェクト構成員 | ||
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| 学内 | 岡部 美香 | 大阪大学人間科学研究科・教授 |
| 髙橋 哲 | 大阪大学人間科学研究科・准教授 | |
| 学外 | 虎岩 朋加 | 椙山女学園大学・教授 |
| 尾崎 博美 | 東洋英和女学院大学・教授 | |
| 川上 英明 | 山梨学院短期大学・准教授 | |
| 佐藤 邦政 | 茨城大学・講師 | |
| Liz Jackson | The University of Hong Kong, Professor | |
| Duck-Joo Kwak | Seoul National University, Professor | |
| Ruyu Hung | National Chiayi University, Distinguished Professor | |
| Michelle Ocriciano | The University of Queensland, Lecturer | |
| キーワード | フェミニズム・ジェンダー研究、教育哲学、知の中心―周縁構造、知の再編、東アジア、教育・人間形成 |
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